屋外空気中水分に含まれる無機元素濃度の変動〔2〕－山林と大都市の住宅団地の比較－

摘要

空気の質は，場所によってかなり変動があり，たとえば，真夏の炎天下で，1 ha水田圃場で水稲の生育調査をしたときと，東京、銀座を散歩したときで比較すると，身体や精神的な疲労度，気分が違う．これは，野外の空気の質の違いから生じていると考えられ，この性質の解明は，都市と農村地域の気降風土を差別化することが可能になり，新たな資源として活用できる．　この空気の質には，気温，湿度，降水量，風力などの物理的な性質と，最近話題になっている森林浴，花粉症候群，生気候などに代表される生物的な性質，そして，空気中に含まれる各種元素や化合物の濃度などによる化学的な性質というように，3種類の性質があると考えられる．物理的な性質や生物的な生質については，さまざまな情報がマスコミなどで報じられているが，化学的な性質についての解明は，不明な部分が多いと推察される．この性質の違いが解明されれば，屋外空気の性質を利用した農村部過疎地の限界集落リサイクルや国土の有効利用が可能になると推察された．