調和の取れた社会を構築する時代における総合農業政策の展開方向 －麗江市の新農村建設を例として－

摘要

中国経済は，WTO加盟，米，日経済の景気影響と国内需要の増加などを背景に高成長率を維持している．財政所得は20％に近い高い率で伸びる傾向が続き，2005年に3万億元を超える水準に達した．こうした状況のなかで，2004仙05年，中央政府は，農民の所得向上と農業の総合的な生産性の強化を目指す指導方針を中央1号書（中国語で中央一号文件）として公表し，農業発展を促進することを重視している．しかし，農業生産は，食糧生産に対する直接補助，地方税に当たる農業税全面廃止などの援助施策の実施にもかかわらず，低迷状況が続き，農民所得の増加が鈍化し，農工間の生産性格差，農民と都市住民の所得格差が拡大する傾向にあり，農業問題は中国社会，経済発展が直面する最大の課題となっている．