食品リサイクルに関する経済波及効果の推計

摘要

経済活動と環境の調和については，内閣の重点事項の一つとして「循環型殻会の形成」として位置付けられているように，我が国経済政策の重要な柱の一つとなっている。 循環型社会の形成については，農林水産業に対，する期待も大きく，畜産廃棄物の減量とリサイクル利用，バイオエネルギーへの利用など各種リサイクルに関する施策が取り組まれているところである。 食品産業に関しても，平成12年の「食品循環資源の再生利用等の促進に関ずる法律」（通称「食品リサイクル法」，以下この名称を用いる）の制定以来，食品産業で発生する食品の売れ残りや食べ残し，製造過程で発生する動植物性残さに対して，発生抑制，減量化とともに，飼料ヤ肥料の原材料として再生利用の促進が図られることになっている。こうした食品産業で発生ずる食品の残さ等のリサイクルを促進する施策は，リサイクルに関連する産業，いわゆる「静脈産業」の成長を促し，残さを排出する産業の経済構造に影響を与える。