早生、大玉のナシ新品種「香麗」、 「なつみず」

摘要

神奈川県の二ホンナシは「幸水」と「豊水」を主要 品種として栽培されており，都市農業の利点を活かし た直売や贈答用を中心に販売されている。そのため， 直売所での販売期間の拡大は，経営の安定と，「幸 水」や「豊水」の収穫期に集中する作業の分散ィ匕につ ながる。一方，贈答用需要は旧盆前に多いが，神奈川県の主要品種「幸水」の収穫期は8月中下旬であるた め対応は難しい。このような現状に対処するため， 「幸水」より早く収穫できる早生の優良品種の導入が 望まれているが，既存品種は果実肥大や生産性力s低い ことなどの問題があるため，導入はほとんど進んでい ない。神奈川県農業技術センターでは，これまで「幸水」 より早く収穫できる早生、大玉品種の育成に取り組ん だ結果，育種目標に合致した「あけみず」を1997年に 育成、品種登録した。「あけみず」は極早生品種とし ては大玉で適熟果の食味は良好であつたが，収穫盛期 が早すぎ，「幸水」の収穫期とつながらない点と，果 実表面色による収穫適期判断が難しく ，収穫が遅れる と過熟となりやすい欠点があった。