生ゴミ等を活用した地域循環型農業の展開方向

摘要

20世紀における人々の生活，特に日本人の生活は，科学技術の進歩により，大量の化石エネルギ一資源や鉱物資源などの本来再利用性の低い資源の利用によって著しく改善されたとともに，食料，飼料，木材などの相物，動物，微生物によって生産される有機物を大量に消費するライフスタイルをあたりまえのこととして受け入れて－きた。 しかし，有機性生産物が生産、流通、消費される過程で，農業，畜産業，水産業，林業，食品加工業などの生産活動によって大量に発生する剰余物や食物残渡，下水汚泥などのかなりの部分は再利用されずに，廃棄物として焼却あるいは埋立処理されてきた。 また，家畜糞尿のように一見再利用されているようにみえながら，実際には局所集中的に発生するため，重大な水質汚染源や大気汚染源になっているものもある。 その結果，水質汚染，地球温暖化，酸性雨などの地域環境問題や地球環境問題を引き起こす一因になっている。