花きの感性評価

摘要

人は花を見るとその花の名前を知らなくても美しいと感じ，その薫りを愛でる。中には，その花の種類を細かく区別し，より微妙な色合いの善し悪しを判断することが出来る人々がいる。 このような他の人より優れた感じる能力を持っている人を指して，あの人は感性があるといつ。 近年，「感性」という用語は，工学やデザインなど様々な分野で用いられるようになってきた。 製品や環境を設計する際に，感性的な要素を組み込んだり，感性的に製品評価を行おうというわけである。感性工学という学会も発足した。 しかし，感性の意味についてはまだ暖味なまま用いられている。 もともと感性は哲学の分野で，理性，悟性に対応する概念としてとらえられてきた。感性を工学や農林水産学などに生かすためには科学的にとらえる必要がある。 感性には明確な定義はないが，一般的には外界の刺激が与えられたとき直感的に感じる感情や情緒や欲求に関する心の働きと考えられている。