最も寒い所に自生する桜！チシマザクラの新品種「国後陽紅」

摘要

豊かな景観づくりを目指すには，緑化樹として優れ た特性や形質を有する園芸品種を有効に利用すること が望ましく，また，北海道にふさわしいみどり環境づ くりを進めるためには，地域の特性にあった郷土樹種 などの北方型樹種の活用が必要である。しかし，現在 北海道で使用されている緑ィ匕樹は本州や海外で育成さ れた品種が多く，北方型樹種を材料に育成された品種 はわずかである。一方，より豊かなみどり環境づくり を目指し，北海道産緑化樹の商品価値をさらに高め， 用途の拡大を図るため，北海道で育成されている樹種 を材料にした園芸品種の育成に関する北海道民および 関連業者からのニーズは非常に強いのが現状である。そこで，北海道立総合研究機構林業試験場では， 花色が他と比べて非常に濃いチシマザクラを開発し， 農林水産省への品種登録を行うとともに，組織培養に よる実用的な増殖技術を確立した。