埼玉県におけるシクラメン育種の取り組み

摘要

サクラソゥ科の中にシクラメン属というグループがあり、その中に^種が存在する。従来のシクラメンの園芸品種は、22種あるシクラメン属の中のCyclanmen persicumという野生種(花弁の長さが約2cmで、白、ピンクおよび純白の花色を持つ)から改良された。一方、C. persicum以外の21種は園芸品種に改良されていない。1700年頃、p persicumの野生種が原産地から西ー口ツバに導入されて以来、栽培過程で発生した自然突然変異体の選抜および選抜された突然変異体間の交配により変異の幅が拡大され、現在のような多彩な園芸品種が育成された。野生種は二倍体(染色体数48)であるが、育種の過程で二倍体品種の他に同質四倍体品種(染色体数96)も育戎された。日本では約2 200万鉢のシクラメンが生産されている。この中で、極めてまれに有用な自然の突然変異体が現れていると思われる。