世界の食料、環境問題の解決に向けて －独立行政法入国際農林水産業研究センター－

摘要

国際農林水産業研究センター（JIRCAS）は，1970年に設立された熱帯農業研究センター（TARC）を母体とし，「開発途上にある海外の地域における農林水産業に関する技術上の試験及び研究等を行うことにより，これらの地域における農林水産業に関する技術の向上に寄与する」ことを目的として1993年に設置された。 開発途上地域の研究者との継続的な信頼関係を基礎に22カ国69研究機問と共同研究を実施している（2007年度末現在）。 具体的には「極度の貧困と飢餓の撲滅，砂漠化の防止等環境の持続可能性確保」（国連ミレニアム開発目標），「世界の食料需給と我が国の食料の安定供給」（食料、農業、農村基本計画）に加えて，「地球規模の公共財」（注1）の創造による科学的貢献を目指している。 なお，2008年4月に（独）線資源機構の海外農業開発関連業務を引き継ぎ，地球温暖化や砂漠化などの課題への対応として，現地での実証調査や住民参加型の手法を取り入れ一問発途上国の持続可能な農業農村振興を支援する基礎的な技術開発にも取り組んでいる。