中国の加工貿易とFTA戦略

摘要

近年の中国の輸出入額の推移は第ー図のとおりであり、2001年12月のWTO加盟後の輸出入額の伸びにはめざましいものがあるが、同図で示したとおり、中国の貿易においては加工貿易が大きな比率を占め、貿易上の重要な特色をなしている。中国の加工貿易には、委託加工組立貿易(外国企業から無料で提供された原材料、部品等を用いて中国に所在する企業が加工し、加工賞を受け取るもの)および輸入加工貿易(中国に所在する企業が外国企業から原材料や部品を輸入し、当該外国企業の指示に基づいて加工.生産した製品を外国に輸出するもの)の2つの形態がある。加工貿易は、外資の導入、技術の移転、雇用の創出等を図る上で有利なことから、加工貿易のために輸入レた原材料、部品等については、輸入関税、増値税(1)の免除等の優遇措置が与えられる。加工貿易は、外資の導入と一体となつて推進されてきたことから、主として中国に設立された外資系企業によつて担われている(2)。また、加工貿易の対象は、現在では付加価値の高い機械、電機製品等が主となつている(3)。