農を基盤とした地域の活性化

摘要

農林水産政策研究所は、環境問題、食の安全.消費者の信頼の確保、人口減少.高齢化問題といった、新たで複雑な問題に対応するため、多様な分野の第I線で活躍されている外部の専門家を客員研究員としてお迎えしております。きの度は、発酵学や食文化論の分野でご活躍の東京農業大学名誉教授であり、また、当研究所の客員研究員でもある小泉武夫教授に、基盤とじた地域の活性化という視点から、いろいろな地域で行われている取組をご紹介頂きました。今、日本の農と食が立ち直つてほしいという思いから、地産地消や自給率の向上などの仕事をしている。一昨年から北海道庁の依頼を受け、農家の所得を上げるため、農産物に付加価値を付けてどのように売ればよいか検討する仕事をしている。北海道滝川市は日本一の菜種め産地だが、それまでは菜種を実のまま売るだけであつた。しかし、これでは地元の利益は上がらない。菜種を絞って菜種油として売るように助言し、搾油のための機械を導入するよ、つ道庁に働きかけたところ、それまでの2 . 3倍の利益が上がつ-た。これを見た滝川市の農家は、菜種作りにもつと力を入れようと、昨年から菜種の栽培面積が倍々に増えている。