中山間地域等直接支払制度への取組状況から見た集落間連携」の効果と課題

摘要

中山間地域の農業集落においては、農家数の減少と高齢化の並進によつて共同作業による水路や道路等の維持-管理が困難になるところが増加しており、今後、これら状況は一層深刻化していくと予想される。このため、中山間地域の振興、とりわけ農地の保全を図っていく上では、農作業や地域資源管理等における集落間での連携した取組が重要な手段の一つになると考えられる。そこで、平成W年度の行政対応特別研究として「中山間地域振興のための集落間連携の推進方策に関する研究」を実施し、集落間での連携を図るための条件や、連携によって地域へもたらされる効果等を明らかにし、集落間の連携を推進していく上での課題整理を行った。本研究においては、農業集落の範囲と中山間地域等直接支払(以下、「中山間直払い」という。)制度に基づく集落協定の締結範囲との関係に着目し、複数の農業集落で一つの集落協定が締結されている農業集落および集落協定の実態を、統計分析と事例調査の両面から検討した。