遺伝子組換え樹木をめぐる現状と課題 -EUの動向を甲心に-

摘要

遺伝子組換え(GM)作物は既に世界各地で広範に商業栽培されるに至り、これに続いてGM樹木の研究開発が、地球規模での環境問題の解決や木質資源の安定的な確保等への期待Sを担つて進められている。本稿は、わが国におけるGM樹木に関する今後の政策展開の上で参考になると思われる世界の現状や様々な論議を紹介するものである。世界におけるGM樹木の栽培の現状は、試験栽培(野外試験)が盛んに行われている状況であり、商業栽培はごく一部にとどまつている。FAO (2004)19に基づいて概観すると、まず国別の野外試験数は、林木では米国が大多数を占めており、次は中国である。果樹.観賞樹木でも、米国が多い(第ー表)。