中国野鎮企業の株式合作割に関する制度的考察

摘要

中国の郷鋲企業は農民への就業機会の提供や農民所得の増加に大きな役割を果たしているが，株式合作制は，こうした郷鋳金業の経営の合理化等を図り健全な発展を確保するため，中国政府によって全国的な普及がめざされた企業形態である。 したがって，郷鋳金業の組織改革の現状，今後の動向等を検討しようとする場合には，株式合作別の企業形態としての性格や位置付けを明確にすることは避けて通れない課題であるが，これまでは協同組合制を基にした株式制ないしは協同組合制と株式制の結合という一般的な前提で株式合作制がとらえられるだけで，こうした検討は十分になされてこなかった。 そこで，本稿では，中国郷鋳金業の株式合作制の設立経緯等を整理しつつ，主として企業形態論の手法を用いて，株式合作別の企業形態としての性格や位置付けを分析し，明らかにすることとしたい。