ヒリユウ台利用の 「河内晩柑」の特性

摘要

「河内晚柑」は、昭和S年頃、現在の熊本県熊本市河内町で偶発実生として発見され、その後、当時の熊本県果樹試験場の調査により晚生種として優秀性が認められ、「河内晚批(力ヮチバンカンごと命名された。特性は、樹勢が強く、やや立ち性で新梢の伸長も旺盛で樹冠拡大は早い。結果性は良好で連年結果し、豊産性で、10a 当たり5-6t以上生産される園も珍しくない。果実の大きさは2 50-5 00 g程度、果形は釣り鐘形、果皮は滑らかで果皮色は濃黄色を示す。花粉を有する異品種が園内および周辺にあると種子は入りやすい。月中下旬に完全着色となり、収穫適期は3月である。収穫時の糖度は10-11度とやや低いが、果汁が非常に多く爽やかな食味をもつ。現在、熊本県における栽培状況は、栽培面積18 6ha 生産量2528 tである(平成20 年産熊本県果樹振興実績より)。