ューストマ「F_1ファルグ系レモン, チェリー、マンゴー」の栽培技術

摘要

ューストマ(Eustomo)という属名はギリシャ語で『良い口』という意味を持ち、花冠の形状に由来する。北アメリカ中南部に広く分布し、石灰岩地帯の草原に一年草あるいは越年草として自生している。同属には3種が含まれるが、現在の栽培品種は大輪のグランディフロ1ラ種を主として改良されたものである。1930年代に日本に導入されたと言われ、その後国内で育種が進んだ。園芸的な歴史は比較的浅い植物と言えるが、品種改良と栽培技術開発により周年生産も可能になり、いまや冠婚葬祭といった業務用、ブーケゃ花束といつた店舗販売用ともになくてはならない切り花となっている。近年の品種開発競争は熾烈で、各種苗メー力ーから毎年多数の新品種が発表されている。野生種は花弁5枚のシンプルな一重咲きであるが、現在国内では市場流通量の約8割が八重咲きとなっている。最近はフリンジ八重咲き品種の人気が高く、良品は高単価で取引きされている。「^ファルグ」系は大輪一重の強フリンジ咲き品種で、流行のフリンジ八重咲き品種とも従来からの一重咲き品種とも趣を異にする。フリンジ咲きの持つゴージャス感ゃ高級感と、一重咲きの持つ軽快感ゃシンプルであるがゆえの力強さとを併せ持ち、数多くの品種が市場にあふれる中、強烈な個性が光る品種として紹介する。