作型分散可能な肥大性のある中早生タマネギ七宝交配「アドバンス」

摘要

西南暖地での早生タマネギの収穫は五月のゴールデンウイークに集中する。 その後の中生タマネギの収穫は五月二十五日過ぎで、この間に収穫できる品種はあまりない。 そして、晩生タマネギは六月五日頃の収穫となる。 栽培農家から収穫期を分散させ、早生と中生の収穫の切れ目をなくする品種が欲しいという声があり、その希望をかなえ五月十五日頃収穫できる品種が「アドバンス」である。 種子親は、「貝塚早生」×「愛知白」の雑種後代から、球型で、柚だい、分球の少ない系統を選抜した。 花粉親は「愛知早生」×「今井早生」の雑種後代から、収量性の高い系統を選抜固定した。 この二系統を交配し試験栽培した結果、初期の目標にかなった品種が得られたので一九九七年に命名発表した。