極細糸防虫ネット利用によるドアト黄化葉巻病の予防

摘要

トマト黄化葉巻病はジェミニウイルス科ベゴモウイルス属のTomato yellow leaf curl virus（TYLCV）というウイルスによって引き起こされるトマトの重要病害である。現在日本にはイスラエル型、マイルド型などいくつかの系統のTYLCVが発生している。このウイルスは、タバココナジラミ（Bemisia tabaci）によって特異的に媒介され、オンシツコナジラミでは媒介されない。ウイルスを保毒したタバココナジラミ成虫の吸汁により、TYLCVに感染したトマトは、数週間程度の潜伏期問を経て、退録しながら縮葉、巻菜症状となり、生育は著しく抑制される（写真1）。発病すると開花しても十分に結実せず減収する。また、タバココナジラミのTYLCV媒介能力は高く、株当たり数頭程度の寄生でもウイルス痛が多発することがあり、特に、生育初期のトマトで感染すると被害が大きくなる。