リモニウム「スーパーレディ」の苗冷蔵による開花促進技術

摘要

リモニウム「スーパーレディ」はイソマツ科の宿根草で、種問交雑により育成された一季咲き性の園芸品種である。 日持ちが良く、淡いピンク色の花弁（正確にはがく）とカスミソウのような添え花向きの形状をしていることから、アレンジメントやドライフラワーなどによく用いられる（写真1）。 暖地での自然開花期は5～6月頃で、加温栽培により3月下旬からの出荷も可能である。 しかし、それ以前の出荷となると、開花に一定の低温遭遇が必要であるため、暖地では一般的に1月中～下旬まで自然の低温にあてなければならず、3月中旬以前の出荷は通常の加温栽培では困難である。 一方で、高湿、多湿条件を嫌うことから、高温期のハウス栽培では株が枯死することが多く、7月以降の安定的な生産も難しい。 このため、暖地における出荷は3月下旬～6月にかけての短期間に限られており、周年を通した安定生産が求められている。