兵庫県北淡町の農村地域における小規模ため池群の水質と水位変動パターンについて

摘要

瀬戸内海性気候に含まれる兵庫県の瀬戸内海沿岸部は，降水量が年間平均千数百mmと少ないため多くのため池が整備されてきた地域である。兵庫県は，我が国で最もため池個数が多い県であり，全国の約19％が兵庫県に位置しているといわれている。 その約半分が約8万haの淡路島に存在しており，淡路島は我が国で最もため池密度の高い地域と言える。 さらに，淡路島北部は神戸層群に属し，平地が少なく急傾斜地が多いため，南部に比べて非常に規模の小さいため池が多数造られてきた。 また，田主と呼ばれる水利組織によって，限られた水資源が複雑に管理されてきた。