仮設住宅団地における自治会設立の支援手法の提案一東日本大震災発生後の宮城県石卷市を事例として一

摘要

東日本大震災発生から4年が経過しょうとしている が，復興公営住宅の建設や高台移転事業の遅れなどもあ り仮設住宅団地（以下，仮設団地）における被災者の生 活が長期化している。こうした状況のなかで，仮設団地 でのコミュニティ形成や生活環境向上を目的に設立された自治会の果たす役割はいまだに大きい。宮城県石卷市には被災した自治体で最大となる134箇 所に仮設団地が建設され"1',その内75%が抽選方式に よる入居である。市役所は入居世帯数が50世帯以上の 中、大規模の団地に対して自治会の設立支援を実施し， 50世帯以下の小規模な団地に対しては団地が立地する 地域の自治会への編入を促してきた1'。しかしながら，前者では自治会が設立できない団地が 存在し，後者では回覧板や配布物を受け取るといった形 式的な編入に留まるなどの問題がみられた。このような 状況に伴い，市役所の支援で自治会が設立できなかった 中、大規模の仮設団地や支援対象から漏れた小規模の仮 設団地では，NPOなどの諸団体（以下，外部団体）に よる自治会の設立支援が実施されてきた。