韓国の落後地域政策の変化と新活力事業の特徴一政策の目標，推進方式，推進体制などを中心に一

摘要

韓国では首都圏および特定地域を中心にした成長拠点 の政策を推進する中で，発展から疎外された「落後地域ぉリが発生した。すなわち1960年代以降，首都圏及 びソウルと釜山を結ぶ経済成長軸（後揭図1)を中心に 急速な産業化、都市化が進展し，その結果，首都圏に人 口および産業が過度に集中して，国土の不均衡な発展が 深刻な社会経済的問題となった。そこで1980年代から首都圏の膨張を抑制するととも に「奥地開発」「島嶼総合開発」「開発促進地区事業」な ど，省庁別に落後地域の関連政策を実施してきた。その 結果.農漁村の生活要件は過去に比べて大きく改善した が,ハードウェア事業に片寄り，所得と雇用機会を創出 し，地域経済を活性化する施策は十分でなかった。中央 政府主導によるトップダウン型の事業推進では.地域の 自立性と責任，そして，創意工夫を基盤にする「内発的 発展力」が酸成されてこなかった。