津波被災農地の植生状況と植生管理の必要性

摘要

東日本大震災の津波によって被災した農地では，復旧 に向けて瓦礫や堆積土の除去，除塩作業などが推し進められている力s，平成23年度に作付けされなかった農地 では，雑草の発生が目立つ1)。被災状況により復旧事業 が大幅に遅れる農地では，発達した植生が作業の障害となるばがりでなく ，営農再開後の雑草多発につながるお それがある。また，耐塩性が高い草種の繁茂，裸地化し た農地に競争力の強い外来種の侵入など，被災前とは異 なる植生が成立することも予想される。そこで，復旧までの期間と営農再開後の雑草対策に向 けて，平成23年7月および12月に，宮城県仙台平野南 部の津波被災農地にて植生状況を調査したので報告した い。また,復旧期間の適切な植生管理の必要性を述べる。