第二次農家生産請負責任制に関する農家の意識調査 --中国重慶市広陽鎮と什邡市南泉鎮を事例として--

摘要

1970年代末に開始された農家生産請負責任制は, 中国における基本農業経営制度として, すなわち改革開放政策の一翼を担う重要な制度の一つとして, 農民に提案され, 1980年代初期に確立 - 定着したものである。 その確立 - 定着は, 農業及び農村経済の全面的な成長を促し, それを通じ, 中国の農村は大きな変貌を遂げた。農村の産業構造は大きな変化をみた。食糧, 綿花などの主要農産物が安定的に増産できるようになったばかりでばく, 農村企業の発展によって農家の兼業化や過剰就業状態の解消が進んだ。 こうした中で, 農村における農業の分業 - 協業関係は急速に発展し, 都市部と農村部の経済交流も拡大し,農家所得は増加した。 こうした中で, 農村社会構造も大きく転換し, 多くの農村労働力が, 次第に, 農業部門から他産業に, 農村地域から都市地域に移動し, また, 農村の都市化が発展してきた。