コウノトリ舞うまちから

摘要

豊岡市をご存じでしょうカゝ。兵庫県の北部に位置し， 日本で一度は絶滅したコウノトリが最後まで暮らしてい たまち。そして，かっての生息地の里山に帰す「野生復 帰」に取り組むまちです。コウノトリの歴史と，その再生に注がれてきた努力， 野生復帰事業を核とした特色あるまちづくりは，近年多 くの人々の知るところとなりました。今回そのすベては ご紹介できませんが，一つのできごとに焦点を当てなが ら，「まちづくり、むらづくり」について考えてみたい と思います。田結（たい）という集落があります。市の最北部，日 本海に面した小さな漁村です。漁港を玄関口に集落があ り，その奥に続く山間の細い谷筋には，びっしりと水田 (現在は「水田跡」）が広がっています。かって，共同作 業体は「結（ゆい）」と呼ばれていて，村の名は，「田」 の「結」から来ているのではないかと考えられています。 確かにその名に違わず，昔も今も，水田が，この村を結 ぶーつのキーになっているように思います。