農村地域における地域運営型まちづくり組織の特性と役割 －都心、郊外都市における地域運営事例との比較から－

摘要

近年，全国各地で市町村合併が進み行政域が拡大し，行政組織のスリム化と集中化が進行する傾向にある。 それに伴い，各地域に行き渡ることが望まれるきめ細かい公共サービスの継続や発展は，特に少子高齢化が進行する農村地域において危ぶまれる。 このような中，小中学校区や旧市町村域等の，自治会域程度のヒューマンスケールな範域において，行政や既存団体に属さない住民主体のまちづくり組織が新たに地域運営機能を担い，自治会と連携をとりつつも，独立して地域活性化活動を積極的に行うケースが増えつつある。 これらのコミュニティ、シンクタンクとも呼ぶべき新たなまちづくり組織は，住民個人の主体的参加がしやすいNPO型の活動形態をとり，機能を特化、専門化させたり，地域外との連携、協力体制を組みやすい等，柔軟かつ積極的な地域運営が期待できる。