水辺の遊び環境の三世代変遷

摘要

戦後の高度経済成長は、我々の社会,生活を大きく変え、生活意識にも影響を及ぼした。 それと同様に、1970年代には子どもの生活、すなわち遊びが、[集団,異年齢,野外,自発的]からヽ［少人数,同年齢,室内,受身的］へと変わり、発達面での影響が懸念された。これらの背景には、高等教育の過熱による遊び時間の減少、土地の高度利用や車社会化による自然,空き地等の遊び場の減少、少子化と子どもの多忙さ故の遊び仲間の減少があり、遊び環境の条件不利が要因として指摘された。 他方、工業,都市型生活を優先とした治水,利水は、地方都市を含む中山間地域にも浸透していった。 この変化により、先人達が長年培った自然の水循環に従って水を治め,利用するという身近な水辺とのかかわり方を、現代では喪失したと言われている。