都市住民の都市農村交流ニーズに関する研究ー神戸市北区Ka地区での村づくりを事例としてー

摘要

農業農村の持つ多面的機能に対する国民的な関心は高い。 とくに保健休養機能，人格形成機能，社会，文化的機能（祭り，地域文化，伝統芸能の保全，継承）などの機能は，多くの都市住民を引きつける力を持っている。 他方，農村側の自力努力による生産振興だけでは，地域を活性化することが困難になりつつある。 農村の持つ「魅力」をなんとかして白地域の活性化に結びつけたいという思惑を背景に，農山村地域の多くの市町村が都市農村交流に取り組んでいる。 そしてこのような自治体レベルの動きと同様，集落レベルの計画づくりにおいても都市農村交流に関連した項目が計画の重要な柱として取り入れられている。 しかしながら，農村側の視点からのみ交流を考えると，「独り善がりの交流」計画になる危険もある。 マーケテイングの考え方を取り入れて，都市住民のニーズをきっちり踏まえ，都市農村交流の内実（実施計画）を組み立てる必要がある。