江ノ電のある風景イメージの発信，受信とその比較考察

摘要

地域環境計画にとって，地域環境のイメージを考慮することは重要である。 地域環境は，人びとにそのイメージを創出させるとともに，イメージによってそれは創出されるからである。 「湘南」という地域の地域環境イメージも，さまざまに創出，発信されており，人びともそれをさまざまに受信し，地域環境を創出している。 そのようななか，江ノ電（江ノ島電鉄）がもたらす湘南の地域環境イメージの発信，受信も，多大にあるのではないかと考えられる。 江ノ電は現存する「日本最古の電鉄路線」である。 「湘南」という地域柄，江ノ電を利用する機会は，地域住民だけでなく，観光客にとっても多い。 レトロな車両がはしり，わずか10．2キロの路線に多様な景色があって，「江ノ電フアン」や「江ノ電マニア」とよばれる人びとも存在する。 そのため，江ノ電やその風景に関する絵や写真が多くの文献でみられ，それらによって，江ノ電やその風景のイメージは発信されている。