臨床応用可能な心エコーを用いた各種心機能評価指標の検討

摘要

心エコー検査法は、非侵襲的にリアルタイムな検査が可能であり、心機能評価の一般的な検査法である。心エコー検査では、二次元心エコー検査法による心室腔のサイズの評価、Mモードによる収縮機能および拡張機能といった形態学的評価、ドップラ心エコー検査法による血流速度や心拍出量といった機能的評価が知られている。これらの評価法は馬においても心機能評価、プアパフォーマンス評価、麻酔下での心機能評価に応用されている。馬での心エコー検査はLongらの報告（1992）で標準像が示され2）、主にこれを基準として心エコー検査が実施されているが、心エコー検査による測定値は同一検査者によっても多少の誤差が生じるため、近年は再現性について言及された報告が多い。そこで、心エコー検査法を臨床応用するためには、再現性の高い測定法と測定項目を選定することが重要である。 本研究ではBモードおよびMモードにおける一般的な測定項目から再現性が高く、臨床現場に応用可能な項目を選定することを目的とした。