ケーススタディー(8)幹部病変2下垂体周囲膿瘍による視覚異常の症例

摘要

今回は脳幹部病変ケーススタディーの2回目である。脳 幹部は中脳.橋，延髄の総称であり.多くの脳神経の中枢 となっている。脳神経の異常は，それぞれ特異的な症状を 呈する場合が多いため，病変の局在診断が行いやすい特徴 がある。例えば，動眼神経の障害では.瞳孔散大.斜視， 対光反射の欠如など.特異的症状、所見が発現する。本稿 では，巨大な下垂体周囲膿瘍が形成されたため，視覚異常 などを呈した育成牛の症例を紹介する。