発育不良を示す子牛の病気

摘要

牛における発育不良とは，一定期間の成長不良によって 低体高や低体重など，成長が基準を満たしていない状態を 指す。発育不良は，栄養摂取、吸収、代謝もしくは排泄を 阻害する急性、慢性の疾患，さらにエネルギ一所要量を増 大させる急性、慢性の疾患によって引き起こされる栄養の 吸収障害，ホルモンの分泌異常など，いくつもの要因が挙 げられ，品種や発育ステージよっても問題点が異なる。また，類似の背景や所見を持つ虚弱子牛症候群(Weak Calf Syndrome : WCS)との違いを認識するべきであり，発生に おける要因の詳細を整理して病態を診断し，対処、予防す る必要がある。本稿では発育不良の要因および病態を背景 に，診断における概論を解説する。