深く静かに反転せよ

摘要

I県のM先生よりお声がけいただきました。「『直腸壁の 戦い』いいね 一！うちの子にも読ませたよ。そう，戦つ ちゃいけないんだよね。押せば引く，引けば押す。直検は テクニックじやない，心だよね」。ありがとうございま す！今回のテーマは子宮の反転です。通常，腹側にぐるつと 巻き込むように折りたたまれた子宮角を，背側に反転させ 引き上げます（図—1)。これで左右子宮角の隅々まで触診 可能となり，子宮の全体像が把握できるようになります。分娩後の子宮回復検査，33日齢前後の羊膜嚢触診による早 期妊娠診断，羊膜嚢触診による胎齢診断ゃ双胎診断，また は妊娠後期のミイラ変性の診断が可能となります（図—2)。 しカゝし，不慣れな者が力まかせに行うと，子宮にストレ スゃダメージを与え，流産の原因となります。優しく深く 静かに，愛を込めて子宮をすくい上げましょう。羊膜嚢の 触診も，もちろん究極に優しく，天使のキスでお願いしま す（次号で詳しく触れます)。