繁殖にかかわる「見える化」: 酪農場で働く人々のやる気を引き出す

摘要

筆者は、繁殖検診を主ななりわいとしている獣医 師です。繁殖を良くするために最も重要なことは、 発情を発見し、授精することだと日々感じています。ところ力、この発情発見という作業は、酪農場で 働く人々のメンタルな部分がその成果に大きくかかわります。"搾乳、給飼、除ふん"という3大作業を 終わらせなければ酪農場の1日は終わりませんが、 発情発見をしなくても1日はすぎていきます。"分娩" は向こうからやって来ますが、"発情"はこちらか ら見つけに行かなければなりません。言ってみれば、 発情発見は余計な仕事です。興味と熱意を持ち、知 識ゃ技術の裏打ちがあり、前向きに作業に取り組ん でいる状態ならば、多くの発情を見つけることがで きるでしよう。しカゝし、そうでない場合にはたくさ んの発情が見逃されてしまいます。発情発見率の向 上には、酪農場で働く人々のやる気を引き出す仕掛 けが必要です。その一つが「見える化」なのです。