北海道A町における伝染病対策も含めた哺育管理向上の試み一初乳、移行乳加熱給与の取り組み事例から-

摘要

「初乳、移行乳加熱装置」（以下、加熱装置=写真) は、酪農場における初乳、移行乳を低温殺菌して子 牛へ給与することを目的としており、初乳、移行乳 を介した細菌やウィルスの感染リスクを低減させる。 ヨーネ菌、牛白血病ウィルス、サルモネラ菌、大腸 菌、黄色ブドウ球菌、マイコプラズマウィルスなど を不活化できるため、子牛の損耗防止を目的に酪農 現場において除々に普及が進んでいる。本稿では、伝染病対策のために町を挙げて子牛の初乳給与改善に取り組んでいる、北海道A町の公的 事業による初乳、移行乳加熱装置の導入事例を基に、 初乳給与改善の技術普及の現状と課題を紹介する。