乱高下する乳価と酪農経営 乳価変動にどう対応すべきか一

摘要

乳価は安定している方がよいのか、需給事情に よって変動した方がよいのか一。ほとんどの酪農生 産者や生産者団体、乳業メーカーはおそらく前者と 答えるに違いない。乳価が安定していれば、出荷乳 量に応じて収入や所得の見通しがつき、投資計画な ども立てやすいからである。乳業メーカーも牛乳-乳製品の価格が安定していれば、従来の販売実績を 参考にして需要を予測しやすいので、価格の安定を 望む。卸、小売業者、外食業者も同様であろう。価 格が安定しているから、特売やキャンペーン価格が 消費者に認知されやすくなる。需給が逼迫する時期 には特売を控える程度の価格変動が好ましいともい われる。こうして日本の牛乳、乳製品価格はあまり 変動させないという暗黙の了解の下で、牛乳消費減 退の影響を受けながらじりじりと低下してきた。