蹄病現地検討会を利用した蹄病治療: 広島県の取り組み事例

摘要

広島県農業共済組合（NOSAI広島）には蹄病 治療はもとより、削蹄を含めた護蹄管理全般と運動 器疾患に関する研究を行うことにより、乳牛の死廃 事故の多くを占める運動器病を予防し、損害防止に 資することを目的に活動している「蹄病グループ研 究会」が存在する。同研究会の活動の一つとして、 2012年度から「蹄病現地検討会」を実施している。 この活動は、日常診療の中で治療困難と思われる 蹄病に対して複数人による診察および治療を行うこ とにより、診療獣医師1人1人の蹄病治療に対する 意識'技術と知識の向上を図ることを目的としている。この蹄病現地検討会には地元の削蹄師にも参加 していただいており、立場の違う獣医師と削蹄師が "蹄病"に対してそれぞれの意見を交換できる貴重 な機会ともなつている。そこで本稿では、12年度の 蹄病現地検討会で遭遇した蹄病に対し、実際に行つ た削蹄法および治療法について紹介する。