私が考える「健康な牛」③: もうかる酪農経営は快適地活環境で「健康碑」を飼うこと

摘要

平成17年4月、5月、6月と九州生乳販売農業協同組合連合会から酪農家に支払われた手取り乳価は、販売不可能乳の大量発生などの影響を受けて1kg当たリ5～6円も値下がりした。 昨年の夏以降はやや値を戻しているものの、17年度平均では1kg当たリ4円程度の値下がりとなりそうである。 この影響は九州全域で同じ条件であり、九州各県の酪農家を訪ねても元気がない。それに追い打ちをかけるように、現在、世界貿易機関（WTO）農業交渉で農産物の輸入自由化が具体的に検討されている。 昨年12月に香港で開かれた閣僚会議では、関税削減方式などをめぐって主要国の主張の隔たりが大きく、モダリティー（関税削減率など各国共通に適用する保護削減ルール）確立は本年4月に先送りされたが、この結果次第では関税率の大幅削減も予想され、輸入バターや輸入脱粉などの値下がりに伴って国産生乳の価格にも大きく影響しそうである。