沖繩において力ンキッ類を加害するハダ二 2種，トウヨウハダ二と ミ力ンハダニに対する各種農薬の殺虫効果

摘要

害虫ノヽダニ類に対する各種農薬の殺虫効果に関する 情報は，これらの適切な管理のための基礎となる。亜熱帯気候に属する沖網では，シークヮーサ一、Citrus depressa Hayata)をはじめとする本地域特有のカン キッ類の栽培が盛んである。一方で，これらカンキッ 類の害虫であるトウヨウノヽダニ Eutetranychus africanus (Tucker)とミ力ンハダニ Panonychus dtri (McGregor)(江原.後藤，2009 ； Ohno et al" 201])に対する農薬の効果については情報が乏しく , 防除効果が不明瞭なまま農薬の選択と散布が行われて いるのが現状である。トウヨウハダ二については，こ れまでタイの力ンキッ園においてピリミジフェンを含 む数種農薬の防除効果が調べられた（Sukumalanand et al., 1999)以外には情報がなく，ミカンハダニにつ いては，九州等の温带地域の個体群における各種農薬 の殺虫効果や感受性については多数の報告があるもの の(たとえば，寺本ら，1990:衛藤ら，1996)，沖繩 個体群が調べられたことはない。そこで本研究ではこれら2種ハダ二の沖耦個体群に対する29種類の市販 農薬の殺虫効果を実験室条件下で調べた。