岡山県における肢蹄疾患低減対策の実際

摘要

乳牛の死廃事故中，乳房炎に次いで第2位にランクされるまでに増加した肢蹄疾患は「関節炎」という病名で著されている。 NOSAI獣医師の宝典である本誌「家畜診糠」誌をひもといてみると, 現在これほどクローズァップされている肢肺疾患も，100号を過ぎるまで報告は少なく，1970年代頃から散見され始めた。 しかも初期の報告は此間席欄の集団発生など，肺疾患に関するものが大半で，病原体の検索と治療効果に関するものが主体であった。 爾来，ミルカー搾乳，多頭化購入剛斗依存軋高泌乳化，規模拡大などが進み，生敵性の追求がなされながら酪農が変遷する中で’「生産病」といわれる疾病群が台萌し始め現在に至っている。 1980年代には既に主要疾病の中に入っていた肢蹄疾患も，飼料や栄養に関与した蹄葉炎が大きなウエイトを占めているため，生産病の範疇で論じることができる疾患である。