二条大麦新品種「ニシノホシ」の育成

摘要

二条大麦新品種ニシノホシは，1997年に二条大麦農林18号として登録された。 本品種は，大麦縞萎縮病、うどんこ病抵抗性，多収，良質を育種目棟として，多収で病害抵抗性を持つ西海皮38号（のちのニシノチカラ）を母，精麦品質が優れる栃系145を父とした人工交配を行い，以後世代促進栽培を組み入れた派生系統育種法により育成したものである。 本品種は並性の二条皮麦で，播性程度がⅠの春播型，出穂期と成熟期はニシノチカラよりわずかに早い。 辞長はニシノチカラよりも10cm前後短く，耐倒伏性は同程度に強い。 二鳥大麦の主要病害であるうどんこ病と大麦縞萎縮病に強く，安定して多収である。加工品質としては，揺精時間が短く，白虎が高いなど，精麦適性が優れる。 大分県本格焼酎技術研究会による焼酎醸造適性試験では，焼酎醸造用大麦として良好な評価を受けた。1997年度より福岡県，長崎県および大分県で普及に移されている。