乾乳期の代謝プロファイルテスト成績と周産期病発生の疫学的関係

摘要

乳牛の周産期病発生を予防する目的で，代謝プロファイルテストを実施した952頭の乾乳牛を対象に，分娩後の周産期病発生状況を追跡調査し，乾乳期の管理状況と周産期病発生との関連を疫学的に分析した。 産歴別では4産以上群で，季節別では冬に比べ夏分娩群で，分娩間隔は400日超群で，乾乳日数では55日未満と70日以上群で，いずれも周産期病発生率が有意に高かった。 乾乳後期では，発症群の平均T－Choは有意に低く，BCS3．75以上の過肥群の死廃率が有意に高かった。乾乳後期に削痩させることは危険なため泌乳後期からの栄養管理が重要であり，また分娩間隔の延長は過肥になり易いので，繁殖管理成績の向上が周産期病発生の低下につながるものと推察された。