子牛の免疫（2)

摘要

免疫反応によって.体内に侵入した抗原は速やか に排除され，抗体が産生される。しかし新生子牛は 抗体の産生能力に劣るため，ワクチンを接種しても 抗価が上昇しないなど，抗原に対する抗体産生反応が殆ど見られない。B細胞は細胞ごとに産生する抗 体の種類が決まっており，自分の記憶した抗体のタ ィプに見合つた病原体が出現した場合に活性化して 抗体産生を開始する。また，免疫応答が完了して病 原体が完全に排除されても，一部のB細胞は記憶B 細胞として体内に長く残り，次の病原体の侵入の際 に素早く抗体産生が開始できるよう備える。新生子牛において抗原の暴露を受けても速やかな抗体産生 が見られない要因の一つに，成牛に比べて記憶B細 胞数が少なレ、ことが挙げられる。