ホルスタイン種育成乳牛に発生した骨代謝異常

摘要

1酪農場において，ホルスタイン種育成牛5頭が起立不能を呈し，3頭が骨折，脱臼および腱断裂 を伴い予後不良となった。当該農場は約半年前からビタミン，ミネラルの給与を止めていた。対策前 の症例および同居牛はBUN, Zn, VAが低値で，症例はCa， IPも低値であった。また，当該農場の牛 は，骨型アルカリフォスファタ一ゼ（BAP)に一定の傾向がないものの，ォステオカルシン（0C)は低 値の傾向で，骨代謝異常が疑われた。そこで，ビタミン、ミネラルを含む飼料添加剤を投与したとこ ろ，起立不能の発生はなくなつたが，BUN, VAは低値であった。そこで，立入調査を行ったところ， 粗飼料摂取不足よるルーメンァシドーシスが原因の一つと考えられた。