胚移植成績向上のために考案したスコア式軍胚牛選定法を応用した黒毛和種体外受精胚移植による鈍性発情乳牛の受胎促進と経済的効果

摘要

受胚牛選定用に考案したスコア式受胚午選走法を応用して純性発情乳牛に対する黒毛和種体外受精胚移植（以下，黒毛IVF－ET）を行い酪農収益の向上を図った。その結果，スコア方式導入後は受胚牛選定率が44．0％（520／1182）から52．0％（198／381）に増加（p＜0．01）し，受胎率は33．5％から37．4％の結果となった。 すなわち，移植依頼牛に対する受胎率は14．7％（174／1182）から19．4％（74／381）と高くなった（p＜0．05）。 黒毛IVF－ETの収益（y）と受胎率（x）の関係はy（円）＝136，800x一28，000となり損益分岐受胎率（y＝0）は20．5％であった。 今回の受胎率より移植1頭当たりの収益を算定すると23，100円となった。これらのことから，鈍性発情に対する黒毛IVF－ETの柄用は酪農家の収益向上に貢献できると考える。