黒毛和種肥育牛における 代謝プロファイルテス卜

摘要

ALBは血液中に存在する蛋白質の一つであり，肝 臓で生成されるために，持続的な蛋白質の摂取状況 および肝臓機能の指標になる。また，様々な物質の 輸送に関与したり，血液の浸透圧に関与する重要な 蛋白質であるために，血中濃度はあまり変化しなレゝ。 そのため代謝プロファイルテスト（MPT)を行って いると，ほとんどの牛力な3-4.0 g/dLで推移するた め，測定意義が無いようにも思えることがある。し かし，VA欠乏ゃル一メンアシドーシスなどにより 長期的に肝機能が低下すると，肝臓での生成機能が 低下して3.0 g/dL以下に低下することがある。筆者らの調査では，ALBは血清VA濃度と有意な正 の相関関係を示し（図16),ガンマグルタミルトラン スフエラーゼと有意な負の相関関係を示す（図17)。 つまり，VAの欠乏が肝機能を低下させて，その結 果，ALBが低下するものと考えられる。前述したよ うに，ALBは血液の浸透圧（膠質浸透圧）に関与す る重要な蛋白であるので，ALBの低下は血漿成分が 漏れやすくなることを意味する。