強酸水の切創に対する治療効果

摘要

大動物臨床でよ．く遭遇する切創の治療に抗生剤の使用を制限する目的として，合前に患部を強酸水で洗浄し，治療後の患部の癒合および感染の有無を観察した。 6例全例で術創の化膿はみられず良好に皮膚は癒合し，7ー14日後の抜糸が可能であった。 抗生剤の使用は術後の全身症状がみられた1例でのみ実施しただけであり，切創の縫合処前に強酸水洗浄を実施すれば，必ずしも抗生剤を使用する必要はないことが示唆され。 強酸水は細菌の薬剤感受性に左右されない殺菌効果をもち，強酸水使用後も出荷制を考慮する必要もないことから，切創に対し積極的に強酸水を用いることが推奨される。