希少な不飽和脂肪酸と高度不飽和脂肪族アルコールの微生物生産皮膚菌叢の健全化を通じた健康維持への応用

摘要

魚油などに含まれるドコサへキサェン酸とエイコサぺンタエン酸，天然油脂中に希少なァラキドン酸（AA) は優れた生理活性を保持する脂肪酸である.これらの機 能性脂肪酸を微生物や藻類で生産する研究が以前より盛 んである.その手法は，糖などのバイオマスを基質とし た培養により生産する培養法である.代表例は，京都大 学の清水、小川らによつて見いだされた糸状菌Mo;"な'er-ellaな/かが生産するAA含有微生物油脂であり，すで に産業化されている.培養法と区別される方法として， 脂肪酸などの構造を微生物で改変する微生物変換法があ る.たとえば，リノール酸の二重結合の位置と幾何配置 の改変による共役リノール酸への変換，二重結合への水 酸基の導入によるヒドロキシ脂肪酸への変換など，多数 の研究が行われている.筆者も，独自に見いだした微生 物変換法による希少な不飽和脂肪酸と高度不飽和脂肪族 アルコールの生産について報告した.