果樹園における鳥害防止策

摘要

鳥類による収穫物の被害は、柑橘類だけでなく、落葉果樹や野菜でも以前から見られていた。 被害程度は年により差があるものの、平成二年度萌からは隔年で被害の多い年と少ない年を繰り返しているようである。 特に平成八年産は、温州ミカンや清見などを中心に多くの柑橘果実で、これまでにないほど甚大な食害を受けた年であった。 鳥害は、年や園地により収穫量が激減する被害が発生するなど、経済栽培上、深刻な問題となっている鳥害の防止策としては、視覚や聴覚刺激などを利用して追い払う防鳥機や防鳥資材などが使われているが、その効果については不明な点が多い。また、県下での被害の実態や鳥の行動等についての調査例が少なく、不明な点が多い。そこで、愛媛果樹試では、おもにヒヨドリについて果樹園周辺での発生経過や被害の実態および防鳥機や被覆資材の有効性について検討したので、その概要を紹介する。