今年のキーワードは腐敗果防止

摘要

今年は、五月に農林省より「生産出荷安定指針」が発表されてから、全国的に目標生産量の達成にむけて、計画生産が推進されてきた。 当初の生産予想量から比べると、摘果や樹上選果により目標量に近づいてきている。しかし、長雨や台風の影響による品質低下（浮き皮、腐敗果、傷果）が懸念され、今年の生産状況からみても、体質的に弱く腐敗が原因で相場の下がることも十分考えられる。平成九年産のように、表年ということで売り悩みによる品質低下が各流通段階で問題になることが予想されるので、一昨年を教訓に今年の果実は、「品質低下による消費離れ」に自分たちの手で歯止めをかけたいものである。 昨年は、温州ミカンに含まれるベータクリプトキサンチンに、発ガン抑制効果があることが発表された。 消費を伸ばす材料としては、このうえなく付加価値を消費者にアピールすることができた。